山本由伸は完全試合を達成したか?ノーノー2度の真相と偉業の軌跡
ロサンゼルス・ドジャースの主軸としてメジャーリーグのマウンドに君臨する山本由伸。日本プロ野球(NPB)時代から圧倒的な制球力と被打率の低さを誇り、打者をまったく寄せ付けない支配的なピッチングを続けてきた右腕だけに、ファンの間では「山本由伸はすでに完全試合を達成していたのではないか」という声が時折聞かれます。
しかし、実際の公式記録を紐解くと、記憶と記録の間には興味深い事実が横たわっています。戦後初となる2年連続ノーヒットノーランという金字塔を打ち立てながら、なぜ完全試合の噂が絶えないのか。紙一重で大記録を逃したオリックス時代の登板内容や、佐々木朗希との対比、そして海を渡ったドジャースでの最新の投球内容まで、その全貌を解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:山本由伸はNPBでノーヒットノーランを2度達成しているが、完全試合は一度も達成していない。
- 要点2:完全試合を逃した要因はわずか1〜2個の四死球であり、準完全試合とも呼べる歴史的投球だった。
- 要点3:ドジャースでも進化を続ける山本は、日本人初となるMLB完全試合への期待を背負っている。
【達成の真相】山本由伸は完全試合を達成している?ノーノー2度との混同と事実関係
ネット上の野球コミュニティや検索エンジンで頻繁に見かける「山本由伸の完全試合」というフレーズですが、事実を整理すると完全試合(パーフェクトゲーム)は達成していません。彼が成し遂げたのは、安打を1本も許さずに勝利する「ノーヒットノーラン(無安打無得点試合)」であり、NPB通算で2度記録しています。
それにもかかわらず完全試合のイメージが強く残っている背景には、あまりに隙のない投球内容があります。走者を背負う場面が極端に少なく、テンポ良く凡打の山を築く姿があまりに鮮烈だったため、ファンの記憶のなかで「一人のランナーも出さなかった完璧なゲーム」として美化・混同されている側面が強いのが実情です。
2リーグ制導入以降、ノーヒットノーランを複数回達成した投手自体が極めて稀であり、現役最高峰の投球術を見せつけられたファンが「あの日の山本はパーフェクトだった」と語り継ぐのも無理はありません。
【完全試合とノーヒットノーランの違い】走者を1人も出さない究極の難度
野球記録における「完全試合」と「ノーヒットノーラン」には、数字以上の決定的な隔たりが存在します。ルール上の違いを整理すると、そのハードルの高さが浮き彫りになります。
ノーヒットノーランは相手打線を「被安打0、無失点」に抑えれば成立するため、四球や死球、味方の失策、振り逃げなどによる出塁は許されます。一方の完全試合は、先発投手が試合終了まで打者27人(9イニングの場合)を完全に抑え、走者を1人も出さないことが絶対条件です。味方のエラーが1つ出ただけでも、その瞬間に完全試合の権利は消滅します。
NPBにおける完全試合の歴代達成者は、1936年のプロ野球黎明期から数えてもわずか16人しか存在しません。1994年に読売ジャイアンツの槇原寛己が達成して以降、2022年に千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希が28年ぶりに成し遂げるまで、誰も到達できなかった究極の領域です。歴代達成者一覧を見ても名投手ばかりが名を連ねており、実力に加えて味方の守備力や判定、運のすべてが噛み合わなければ成し得ない奇跡の記録といえます。
【惜しくも逃した理由】四死球わずか1個の悲運|オリックス時代の無安打無得点試合をプレイバック
山本由伸がNPBオリックス・バファローズ時代に記録した2度のノーヒットノーランは、どちらも完全試合に限りなく近い内容でした。大記録の裏で何が起きていたのか、その詳細を振り返ります。
1度目の快挙は2022年6月18日、ベルーナドームで行われた西武戦でした。山本は立ち上がりから抜群の制球を見せ、西武打線をまったく寄せ付けません。この試合で唯一出塁を許したのが、5回裏に対峙した外崎修汰への四球1つのみでした。打者28人に対して投球数はわずか102球、9奪三振。もしあの四球がなければ完全試合という、まさに「準完全試合」と呼ぶべき完璧な内容でした。
続く2度目は2023年9月9日、ZOZOマリンスタジアムでのロッテ戦です。ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMらMLB幹部がネット裏で見守るプレッシャーのなか、山本は再び無安打投球を披露します。この試合で許した走者は、6回裏の安田尚憲への四球と、8回裏の茶谷健太への死球の計2人のみでした。四死球がなければ再び完全試合に到達していたペースであり、ネット上の野球ファンやなんJなどの実況掲示板でも「またしても四球1つに泣いた」「もはや実質パーフェクト」と大きな反響を呼びました。
【佐々木朗希との徹底比較】「完全試合の怪物」と「安定感の無双エース」それぞれの凄み
同じパ・リーグでしのぎを削った佐々木朗希との比較は、今なおファンの熱い議論の的です。2022年4月10日、佐々木はオリックス打線を相手に日本タイ記録の19奪三振、新記録となる13者連続奪三振という圧倒的な球威で完全試合を達成しました。
佐々木の完全試合が「160km/h超の豪速球と消えるフォークで三振の山を築き、打球を前に飛ばさせない圧倒的制圧力」だったとすれば、山本の持ち味は「全球種が一級品の精度を誇り、打者の芯を外して凡打を量産する完成度の高さ」にあります。
突出した爆発力で一発の歴史的快挙を刻んだ佐々木に対し、山本はシーズンを通じて破綻しない圧倒的なQS(クオリティスタート)率を維持し、3年連続で投手4冠と沢村賞を独占しました。「一戦のインパクトなら佐々木の完全試合、投手としての総合力と再現性なら山本の2年連続ノーノー」という評価が、玄人筋の間でも広く定着しています。
【歴代偉業まとめ】NPB史上初の快挙連発からドジャースでの挑戦まで
完全試合こそ逃しているものの、山本由伸が日本球界に残した足跡は歴代屈指のものです。プロ野球の長い歴史の中でも、彼の残したスタッツは突出しています。
NPB史上初となる3年連続の投手4冠(最多勝・最優秀防御率・最多奪三振・最高勝率)をはじめ、3年連続の沢村賞および最優秀選手(MVP)受賞は、金田正一や稲尾和久といった伝説的投手たちすら成し得なかった前人未到の記録です。さらに2年連続のノーヒットノーランは、1940年〜1941年に記録した亀田忠以来、戦後82年ぶりの偉業となりました。
これだけのタイトルを総なめにし、満を持してポスティングシステムでドジャースと投手史上最高額となる12年総額3億2500万ドルの超大型契約を結んだ山本。日本で証明してきた「打たれない投球」のクオリティは、舞台をアメリカに移しても色褪せることはありませんでした。
【2026年最新】ドジャースでの現在地と次回登板予定|メジャーでの偉業達成なるか
MLB移籍1年目の2024年にワールドシリーズ制覇を経験し、2年目の2025年も先発ローテーションの柱として確固たる地位を築いた山本由伸。2026年シーズンを迎えた現在も、その投球はさらに洗練度を増しています。
メジャー特有の硬いマウンドや滑りやすいボールへの適応を完全に終え、持ち味である低めへのスプリットと鋭く曲がり落ちるカーブのコンビネーションは、強打者が揃うナ・リーグ西地区のライバル球団にとっても最大の脅威です。奪三振率の向上とともに被打率は一段と低下しており、現地メディアの登板予定ニュースでも常に相手打線とのマッチアップが注目されています。
過去にMLBでノーヒットノーランを成し遂げた日本人投手には野茂英雄(2度)や岩隈久志がいますが、完全試合を達成した投手はまだ誰一人として存在しません。ドジャースの強力な守備陣とバッテリーを組む山本には、日本人メジャーリーガー初となる完全試合の達成という歴史的期待が常に寄せられています。
【山本由伸の完全試合】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:山本由伸は過去に完全試合を達成したことがありますか?
A1:いいえ、完全試合は一度も達成していません。ただし、NPBのオリックス時代にノーヒットノーラン(無安打無得点試合)を2度達成しています。
Q2:山本由伸がノーヒットノーランを達成した試合で出した走者は何人ですか?
A2:1度目(2022年6月18日・西武戦)は四球1個のみで打者28人。2度目(2023年9月9日・ロッテ戦)は四球1個と死球1個の計2人のみでした。いずれも四死球がなければ完全試合という非常に惜しい内容でした。
Q3:NPBで完全試合を達成したピッチャーは何人いますか?
A3:プロ野球史上、完全試合を達成したのは合計16人です。直近では2022年4月10日に千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希が達成したのが第16号となっています。
Q4:メジャーリーグで完全試合を達成した日本人投手はいますか?
A4:日本人投手のMLB完全試合達成者はまだいません。ノーヒットノーランであれば野茂英雄が2度、岩隈久志が1度達成しています。現在ドジャースで投げる山本由伸にも、日本人初の快挙達成への期待が集まっています。
まとめ:マウンドで進化し続ける大エースの次なる伝説に注目
山本由伸という投手の凄みは、単なる記録の有無にとどまりません。2度のノーヒットノーランはいずれも四死球わずか1〜2個という、完全試合と紙一重の支配的なピッチングでした。だからこそファンの記憶には「パーフェクトなエース」としての強烈な残像が刻まれています。
海を渡り、最高峰の舞台であるドジャースでも進化の手を緩めない背番号18。NPB時代に惜しくも逃した「完全試合」という最後のピースを、いつの日かメジャーのマウンドで掴み取る瞬間が訪れるのか。大エースが紡ぎ出す次なる伝説から、今後も目が離せません。 (出典: 山本 由伸 完全 試合(Yahoo!ニュース))