速水もこみちのオリーブオイル神話|大量投入の理由と現在の真相
日本テレビ系の朝の情報番組『ZIP!』内で、2011年4月から2019年3月までの8年間にわたり全1,896回放送された伝説の料理コーナー「MOCO'Sキッチン」。俳優・速水もこみちが見せるダイナミックな調理スタイルと、画面を埋め尽くすほどのオリーブオイル使いは、日本の朝の風景を一変させました。フライパンの遥か上空からオイルを注ぎ込む独特のフォームや、仕上げに容赦なく回しがける「追いオリーブ」は、単なる料理の枠を超えて一大ポップカルチャーへと昇華した記憶があります。
放送終了から年月が経った2026年の今なお、SNSや料理動画界隈では「もこみちスタイル」が引き合いに出され、彼のオリーブオイル愛は語り継がれています。果たして、なぜ彼はあれほどまでにオイルを注ぎ続けたのか。ネット上を駆け巡ったBPO(放送倫理・番組向上機構)への苦情騒動の真実、自らプロデュースした1本5,000円超の高級ボトルの実態、そしてYouTubeへと主戦場を移した現在の活動まで、客観的証拠と本人の肉声をもとにその全貌を解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:大量投入と「追いオリーブ」の真意は、単なるテレビ的演出ではなく「オリーブオイルは油ではなく香りとコクを足す調味料(果実ジュース)」という地中海料理の本質に基づく独自の味覚哲学。
- 要点2:ネット上で「BPOから厳重注意を受けた」と拡散された一件は、月次報告の「視聴者意見」に掲載されたに過ぎず、審議入りや指導の事実は一切存在しない。
- 要点3:2026年現在も公式YouTubeを中心に本格的な料理クリエイターとして活躍し、オリーブオイル文化を日本の家庭に浸透させた第一人者としての評価を確立している。
【なぜあそこまで使ったのか】「MOCO'Sキッチン」大量投入と追いオリーブの決定的理由
「MOCO'Sキッチン」を象徴する最大の謎、それは「なぜそこまでオリーブオイルを使うのか」という点に尽きます。炒め油としてフライパンの底が見えなくなるほど注ぎ、皿に盛り付けた後にも「追いオリーブ」と称して回しかける光景に、当時の視聴者は度肝を抜かれました。
この疑問に対し、速水もこみち本人は当時のインタビューや料理本の刊行イベントで明確な哲学を語っています。彼にとってエキストラバージンオリーブオイルは単なる加熱用油脂ではなく、「素材の風味を引き締め、香りをまとうためのフレッシュな調味料」でした。オリーブの果実をそのまま搾ったジュースであるため、加熱しすぎず生のまま仕上げにかけることで、青々しいハーブのようなアロマと心地よい辛味・苦味が料理に立体感を与えます。
さらに見逃せないのが、本場スペインやイタリアの食文化への深い傾倒です。実際に現地へ幾度も足を運び、オリーブ農家や本場のシェフと交流を重ねた彼は、地中海沿岸ではスープや肉料理、魚料理に文字通りオリーブオイルを「浴びるように使う」現実を目の当たりにしました。本場の家庭やトラットリアの豪快な調理法を日本の朝に持ち込んだ結果が、あの惜しみない使用量だったわけです。
もちろん、番組制作上の「シズル感の追求」という視覚的要請も重なっていました。朝の忙しい時間帯、わずか2〜3分の放送枠で視聴者の視線を引きつけるため、黄金色のオイルが肉や野菜に絡みつき、朝の光に反射して輝く映像美は計算され尽くした演出でもありました。「味への妥協なきこだわり」と「テレビ的エンターテインメント性」が見事に融合した結果が、あの「オリーブオイル大量投入」の真相です。

【BPO苦情騒動の真実】「オリーブオイル使いすぎ」報道の歪みと実際の審議状況
「MOCO'Sキッチン」を語る上で欠かせないのが、2017年3月にネットニュースを席巻した「オリーブオイル使いすぎ問題でBPOに苦情」というトピックです。当時、大手ポータルサイトのトピックスやまとめサイトでは「もこみちの料理、ついにBPO審議入りか」「番組存続の危機」といった扇情的な見出しが躍り、大きな波紋を広げました。
しかし、当時のBPO(放送倫理・番組向上機構)の公式記録と報道発表を精査すると、事実関係は大きく歪められていたことが分かります。実際に起きた事実は以下の通りです。
- 事実1:BPOの審議対象には一切なっていない
BPOには「放送倫理検証委員会」など専門の委員会が存在しますが、本件が委員会で審理・審議された記録は皆無です。審議入りしたという噂は完全なデマでした。 - 事実2:掲載されたのは毎月公表される「視聴者意見」の1件に過ぎない
BPOのウェブサイトには毎月、視聴者から寄せられた数百件の意見要約が機械的に掲載されます。その中に「朝の料理コーナーでオリーブオイルの使用量が多すぎる。一般家庭で真似できないし、健康面でも疑問」という趣旨の一般意見が1件含まれていたに過ぎませんでした。 - 事実3:局側への勧告や指導はゼロ
日本テレビおよび番組制作サイドに対して、BPOから何らかの指導や注意、ヒアリングが行われた事実は一切ありませんでした。
メディア関係者の証言によると、日本テレビ側もこの「苦情」を深刻なトラブルとは捉えず、むしろ世間が自発的に盛り上がっているポジティブなバズとして歓迎していた節があります。現にその後も番組は路線を変更することなく、豪快なオイル使いを継続し、視聴者を大いに沸かせました。炎上ではなく、「国民的愛されキャラ」ゆえのネットミームの増幅劇だったと言えます。
【5,000円超の衝撃】プロデュースした高級ボトルのスペックと市場評価
番組の人気が最高潮に達していた2013年、満を持して発売されたのが「速水もこみちプロデュース エキストラバージンオリーブオイル」でした。予約受付が開始されるやいなや注文が殺到した一方で、世間をざわつかせたのがその価格設定です。一般的な家庭用オイルが数百円から1,000円前後で買える時代に、1本(450g)で5,250円(当時税込)という強気のプライシングが「貴族のオイル」「もこみち価格」とネット上で大きな話題になりました。
しかし、この価格設定には純然たる理由が存在しました。単なるタレントのネームバリューを乗せたライセンス商品ではなく、彼自身がスペイン・アンダルシア地方の老舗搾油所まで赴き、品種の選定から収穫時期、搾油プロセスのすべてに立ち会って仕上げた、本物のハイエンド・オリーブオイルだったためです。
| 項目 | 速水もこみちプロデュースオイル | 一般的な市販エキストラバージン | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 販売価格(目安) | 約5,250円〜(450g) | 約800円〜1,500円(400g) | 一見高額だが専門店ギフト級の適正相場 |
| 原産地・品種 | スペイン・アンダルシア産厳選ブレンド | EU各国ブレンド(産地混在が多め) | 単一地域・特定農園レベルのこだわり |
| 製法と鮮度 | 収穫後即コールドプレス(低温圧搾) | 一般的な遠心分離・大規模圧搾 | 酸度0.8%以下の国際規格を余裕でクリア |
| 風味プロファイル | 若草の爽快なアロマと鮮烈なスパイシーさ | マイルドでクセのない無難な風味 | まさに「飲むジュース」に近い本物志向 |
購入した料理愛好家や専門家によるテイスティング評価は極めて高く、「ポリフェノールを豊富に含んだピリッとした喉越しの辛味があり、生野菜や白身魚のカルパッチョにかけるだけで格段に味が決まる」と絶賛されました。大量消費のための日用品ではなく、ワインのように香りを楽しむ嗜好品としてのクオリティを担保していたからこその価格帯だったのです。
【実態検証】利用者の生の声と現場目線で見えたリアル
当時の視聴者やネットユーザーは、「MOCO'Sキッチン」のオリーブオイル使いをどのように受け止め、日常生活にどう取り入れていたのでしょうか。SNSや大手掲示板、Q&Aサイトの膨大な投稿ログを振り返ると、日本の家庭料理に対する意識変革がくっきりと浮かび上がってきます。
放送初期の2011年頃は、「朝から油っこくて胸焼けしそう」「そんなにかけたらオリーブオイルの味しかしなくなるのでは」という懐疑的な声が目立っていました。特に昭和から平成初期の日本の家庭料理において、植物油は「食材を焦げ付かせないための潤滑油」として最小限に使うのが美徳とされていたため、彼のダイナミックな注ぎ方は一種のカルチャーショックだったのです。
ところが、実際に番組のレシピを試した視聴者から、次のような驚きの声が続々とネット上に投稿されるようになりました。
「もこみちの真似をして納豆パスタにオリーブオイルをドバがけしたら、驚くほどまろやかになって高級店の味になった」
「高い打点から塩とオイルを振ると、確かに食材全体に均一に混ざる。バカにしていた夫が今では自分から追いオリーブしている」
日本の家庭に「オリーブオイルを生でそのままかける」という贅沢な食習慣を根付かせた立役者は、紛れもなく速水もこみちでした。油を敬遠しがちだった健康志向層に対しても、オリーブオイルに含まれるオレイン酸や抗酸化作用の認知を広げる契機となり、スーパーマーケットの調味料棚におけるオリーブオイルの陳列スペースを劇的に拡大させる原動力となったのです。
【メディア心理学の視点】なぜ視聴者は「高い打点」と豪快な油使いに魅了されたのか
テレビ演出の観点から見ても、速水もこみちの調理所作には視聴者を釘付けにする巧妙な心理学的ギミックが仕組まれていました。その最たるものが、身長186cmという抜群のスタイルから繰り出される「エキストラバージンオリーブオイルの高い打点」です。
心理学には「代理的達成感」や「認知的カタルシス」という概念があります。日常の家事や料理は、材料を計量スプーンで正確に量り、油ハネに気を配りながら慎重に進める「制約」の連続です。その窮屈さを、毎朝数分間の枠の中で速水もこみちが豪快に打破してくれました。計量スプーンなど一切使わず、ボトルを傾けて勢いよくオイルを注ぎ落とし、宙高くから岩塩を振りかける。その非日常的で華麗な所作を見ることで、視聴者は日常のストレスから一瞬解放され、爽快感を味わっていたのです。
さらに、彼が醸し出す「完璧なビジュアルと親しみやすさのギャップ」も作用しました。端正なマスクのモデル系俳優でありながら、料理に没頭する姿は無邪気そのもの。「今日もオリーブオイル入れるかな?」「やっぱり入れた!」という、水戸黄門の印籠にも似た「お約束のフォーマット」を提示することで、視聴者に安心感とツッコミの余白を与え、ネット上でのコミュニティ意識を強固に醸成していきました。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
速水もこみち流の「オリーブオイル大量活用スタイル」は、すべての料理や家庭環境に適しているわけではありません。2026年現在の食生活において、このスタイルを取り入れるべき人と、慎重になるべき人の基準を客観的に整理しました。
【もこみち流オリーブオイル活用が向いている人】
- 地中海式ダイエットや抗酸化食に関心がある人:良質なエキストラバージンオリーブオイルを非加熱で摂取することで、心血管系の健康維持や美容効果を重視するライフスタイルに合致しています。
- シンプルな食材のポテンシャルを最大化したい人:旬の野菜や新鮮な魚介、上質な肉を手に入れた際、醤油やソースではなくオイルと塩、ハーブだけで素材本来の甘みと旨味を味わいたい人に向いています。
- 料理をエンターテインメントとして楽しみたい人:計量にとらわれず、直感とシズル感で豪快にフライパンを振ることで、自炊を趣味やストレス発散に昇華できます。
【もこみち流の導入に慎重になるべき人】
- 厳密な脂質制限・カロリー制限下にある人:オリーブオイルは健康に良い不飽和脂肪酸を主成分としますが、大さじ1杯(約12g)で約110kcalあります。「追いオリーブ」を無無制限に行えば確実に総摂取カロリーは跳ね上がります。
- 和食や出汁の繊細な風味をメインに楽しみたい人:高品質なエキストラバージンほど青い香りや辛味などの個性が強いため、繊細な昆布や鰹の出汁とぶつかり合い、料理のバランスを損ねる恐れがあります。

【2026年最新】YouTubeで見せる進化とオリーブオイル愛の現在地
『ZIP!』の番組リニューアルに伴い2019年3月に「MOCO'Sキッチン」を勇退した後、速水もこみちの料理人としての道はどう展開しているのでしょうか。2026年現在、彼の料理活動の主戦場は自身の公式YouTubeチャンネル「Mocomichi Hayami Official Cooking Channel」にシフトしています。
地上波テレビの制約から解き放たれたYouTubeにおいて、彼のクリエイティビティはさらなる進化を遂げました。テレビ時代のような数分間の尺制限がないため、食材の下処理から火加減の微細なコントロール、包丁の入れ方に至るまで、プロの料理研究家としても通用する圧倒的な調理技術の深さをノーカットに近い形で公開しています。
そしてファンが最も注目する「オリーブオイル愛」も全く衰えていません。動画内では相変わらず「オリーブオイルはいっぱい使うよ!」と笑顔で語りかけ、フライパンに贅沢に回し入れる姿が定期的に披露されます。しかしテレビ時代と異なるのは、視聴者に対する丁寧な解説が付随している点です。
「このオイルはフルーティーだから魚介の臭みを消してくれる」「肉を焼くときは少し煙が出る直前まで温度を上げて表面をキャラメリゼする」といった、論理的な調理理論を分かりやすく解説。かつての「豪快なタレント料理人」というパブリックイメージから、「確かな理論と情熱を兼ね備えたフードディレクター」へと見事な脱皮を果たし、国内外の料理ファンから熱烈な支持を集め続けています。
【速水 もこみち オリーブ オイル】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:速水もこみちがオリーブオイルを大量に使い始めたきっかけは何ですか?
A1:彼が10代の頃から自炊を始め、イタリア料理や地中海料理に深く魅了されたことが原点です。スペインやイタリアを旅した際、現地の料理人たちがオリーブオイルを油ではなく「果実のジュース」として惜しみなくドレッシング感覚で使っている姿に衝撃を受け、自身の料理哲学として定着させました。
Q2:MOCO'Sキッチンで話題になった「追いオリーブ」とは何ですか?
A2:加熱調理用として使う最初のオイルとは別に、料理を皿に盛り付けた後の仕上げとして、フレッシュなエキストラバージンオリーブオイルを生のまま回しかける行為を指します。熱によって飛んでしまうオリーブ本来の青々しい香りとコクをダイレクトに際立たせるための実践的な調理テクニックです。
Q3:プロデュースしたオリーブオイルは今でも購入できますか?
A3:2013年当時に限定販売されたオリジナルボトルはすでに販売終了となっています。しかし、速水もこみちはその後もキッチンウェアブランドの立ち上げや、厳選された調味料・スパイスのコラボレーション商品を定期的に展開しており、彼のこだわりが詰まった関連アイテムは公式ショップ等で確認することができます。
まとめ:オリーブオイル文化を日本に定着させたパイオニアの足跡
速水もこみちとオリーブオイルにまつわる数々のエピソードは、単なるバラエティ番組の笑い話や一過性のネットミームではありません。それは、保守的だった日本の家庭料理シーンに「調味料としての植物油」という新しい概念を持ち込み、食の多様性を切り拓いた一つの文化変革でした。
「使いすぎ」と揶揄され、BPOへの苦情と騒がれても、彼は自らの信じる本場の味とエンターテインメント性を貫き通しました。そのブレない姿勢があったからこそ、番組終了から時を経た今もなお、日本のキッチンで多くの人々が躊躇なく「追いオリーブ」を楽しみ、料理の喜びを再発見しています。朝の数分間で彼が振り落とした黄金色の雫は、日本の豊かな食文化の中に確かに根付き、生き続けています。 (出典: 速水 もこみち オリーブ オイル(Yahoo!ニュース))